第6回
尻の下のおじちゃん
あたし達は真下にあった小屋に突っ込む羽目になった。
「いたたたた、下に小屋があって助かったわ〜。」
「そうですね、リナさん。」
二人とも身体に異常をきたす怪我はなさそうだ。しかし・・・
「何が助かっただ!」
なんと!またあたしの真下から声は聞こえてきたのだ!え、真下・・・・・・
「いつまで人踏み潰してりゃいいんだ!」
実はあたしのお尻の下に、ひげの濃いおじちゃんが埋まっていた。
「あら!ゴメンナサ〜〜〜〜イ・・・・・・・」
あたしはそそくさと逃げる、が。
「あなたは!アメリア−ウィル−テスラ−セイルーン様ですか?」
いきなりあたしに聞いてくる・・・・・・おいおい。
「アメリアはあたしです。」
アメリアは埃まみれの中から這い出してきてそう言った。
「え!まさかあなたはほんとうにアメリア−ウィル−テスラ−セイルーン様ですか?」
「ハイ。本物ですよ。」
そういってアメリアはセイルーン王国紋所を取り出した。
「は、はは〜〜〜〜〜〜〜」 (いや、そりゃ水戸○門だって・・・・・・・・・)
「あたしはある人に頼まれて、ここに訪れるおんな全員にそう聞けといわれてたんです。」
おっちゃんはあたし達にあったかいミルクを出してくれてそう言った。
「それよりここって何処なの・・・」
あたしの素朴な疑問に、おっちゃんはあっさりと答えた。
「ここに来るときにチューリップ畑を見ただろ。差し詰め、俺はその管理人って訳だ。」
「とにかく!あんたにそういってくれといった『ある人』って誰なの?」
「名は知らん!とにかく、大きな特徴は体が合成獣ってところかな。」
ゼルガディスじゃん、それって・・・
「え、ゼルガディスさんが・・・・・・・・・そんな。」
アメリアの顔が赤くなる。
「それで、その人にこれを渡しておいてくれといわれてな・・・」
おっちゃんの手にはひとつの羅針盤と氷に包まれた花があった・・・・・・え、
「ちょっと!この氷に包まれた花って何よ!どうやって溶けないようにしてあるの!」
「さぁ、あいつが来たのが3日前だったから・・・・・・丸三日日向においておいたが溶けなかったぞ。」
「ということは・・・・・・持続魔法の作成、そして冷たくない氷・・・・・・」
もしかして!もしかしてゼルは!!
「これは精霊魔術の融合ですね!そしてこの羅針盤は邂逅の羅針盤ですね!」
アメリアは全て見尽くしているかのように大声で叫んだ!
尻の下のおじちゃん 完