第5回

紅の花畑


「ゼルガディスさん・・・・・・・・・」

アメリアが心配そうに呟いた。

盗賊団の騒動から丸二日。アメリアはそれ以来元気がない。

全く!ゼルでもいてくれれば、元気よかっただろうに。

「アメリア。元気出しなさいよ。のそのそしているとゼルが先に行っちゃうわよ!」

こうやってゼルネタでも持っていけば、元気出るかな?

「分かりました、リナさん。・・・・・・そうですよね!ゼルガディスが先に行っちゃいます。」

「よし、元気出たわねアメリア!さぁ、先を急ぎましょう!」

 

「うわ〜〜〜〜!!!!すご〜〜〜〜い!!!」

あたしは思わずそう言ってしまう。なんたって、あたり一面真っ赤なチューリップだらけなのだ!

「ゼルガディスさんがこんなところに来ますか〜?」

アメリアは不安そうにそう言った。確かにゼルがこんなところに来るとは思えない。

しかし、そんなことを思っているのもつかの間。もう辺りは薄暗くなっている。

「今夜は野宿かな・・・」

あたしがそう言うと、アメリアは・・・・・・

「野宿なんてしている暇があったら、ゼルガディスさんを探しましょうよ〜。」

アメリアは疲れていながらも、一日中ゼルガディスが残した形跡を探していた。

「でも、あんたも疲れているでしょ。今日は休んで明日から探しましょ。ゼルも夜には休むでしょ。」

「はい・・・・・・」

夜はもうふけている・・・

 

翌朝、あたし達に不幸が襲い掛かる!

「ちょっとアメリア!何しでかしたのよ!」

「何にもしてません!ちょっと、チューリップの花を動かしただけで・・・・・・」

「だからって!何であたし達がはちの大群に襲われなきゃならないのよ〜〜!」

そう、あたし達ははちの大群に追われていた。

「アメリア!横!」

アメリアの真横にはもう蜂が追いついてきている。もうだめか!と思ったときだった!

蜂たちがいきなり追いかけてくるのをやめた。

一体なにがおきたのかはあたし達もよく理解できなかった。

落ちたのだ・・・・・・・・・崖から・・・・・・

「きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

どぐわしゃ〜〜〜〜〜ん!!!!!

 

紅の花畑 完

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