第10回

爆発!竜破斬!!!

 

「ゼルガディスさ〜〜〜〜〜〜ん!!!!!」

アメリアの声もむなしく、ゼルは見向きもしない。

確かに、山の向こうの方まで優に街一個分くらいある。

声は聞こえないが、秋の乾いた空気で、ゼルが良く見えることが何やら可笑しい。

「どうやら、無理みたいね。」

「無理って言われても、どうするんですか?」

「どうって、翔べば良いんじゃないの?」

「レイ・ウィングですか?」

「そうよ。」

「でも・・・・・・・」

「どうしたの?」

「あんまり・・・ロマンチックじゃないですよね・・・」

「ねぇ、アメリア?」

「何ですか?リナさん。何か良いアイディア浮かびましたか?」

「あのね・・ゼルにロマンチックって似合うと思う・・・」

「え?」

このとき、アメリアの中で何があったのかはわからないが・・・・・・

「ぷっ!!そうですね。ゼルガディスさんがあんなことやこんなこと・・・・」

おいおい、何を考えてんのよ、アメリア。

「まぁ、確かにゼルには愛嬌って物が少ないからね。どう、一発派手に行く?」

「そうですね!!」

アメリアのお得意、悪戯好きが出てきている。ニヤニヤしながら私を見る。

「ごにょごにょごにょ・・・」

「ひそひそひそ・・・・・」

「よし、それで行きましょう!!」

「はい!!リナさん。」

結論はついた。

「アメリア、行くわよ!!!」

「はい。ゼルガディスさ〜〜〜〜ん!!!!

風の魔法で声を大きくする。

ゼルは、何かにおびえたように周りを見渡す。

流石に、驚いたようだ。この声には。

「よし、派手に行くわよ!!ドラグ・スレイブ!!!!

かくして、ゼルガディスにとって運命の再会は人生最悪の事態になったに違いない。

爆発!竜破斬!!! 完

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